新技術・新工法 ─ 箱桁合理化床版構造 ─
箱桁合理化床版構造とは
従来のPC箱桁橋は、有効幅員13m程度までは一室箱桁断面で、それを超える広幅員の計画に対しては多室または多主箱桁断面が採用されてきました。 しかし、近年の解析技術の向上によりFEM解析などの構造解析によって道示に示される要求事項を満足する床版の設計が可能となりました。
箱桁合理化床版構造は、従来の設計では多室箱桁断面となる広幅員を有する箱桁橋において、ウエブ数を減らし床版を合理的な形状とすることで上部工重量 の低減や下床版幅の縮小を行ったものです。ここでは、1)適用支間を超える広幅員一室箱桁断面、2)リブ付き床版箱桁断面、3)ストラット付き床版箱桁断面を 紹介します。
概要
特徴
○上部工自重の低減
ウェブ数の減少、下床版幅の減少により上部工自重の低減が可能です。
○橋脚幅の縮小
下床版幅を狭くすることができるため橋脚幅を縮小できます。
○施工性の向上
施工の煩雑なウェブ数の減少により施工性が向上します。
【各断面形状の適用性】※1)
広幅員一室箱げた 断面 |
リブ付床版箱げた 断面 |
ストラット付き 床版箱げた断面 |
|
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上部工重量の軽減性 | ○ | ○ | ◎ |
下部工幅の縮小性 | △ | ○ | ◎ |
施工性 | ○ | △※2) | △ |
維持管理性 | ○ | ○ | △※3) |
※1)各項目の評価は3断面の相互比較に限定して記載。従って、「△」は他の2断面と比較して一般的に劣ることが想定される場合であり、“適用不可”を示すものではない。
※2)架設地点で場所打ち施工を行う場合。
※3)ストラットに鋼部材を使用し、定期的な防錆仕様(塗装など)の更新が必要な場合。