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TECHNICAL INFORMATION

技術情報

補修技術

脱塩工法

■(1)橋梁概要

1.構造形式:ポストテンション方式PC単純T桁橋
2.橋 長:1098.650m
3.支間長:20.0m
4.幅 員:17.020m
5.竣工年次:昭和40年(1965年)
6.適用示方書:不明
7.対策年次:平成17年(2005年)

■(2)損傷概要

1.環境条件
本橋は海岸線に隣接しており,海からの飛来塩分の影響により,建設後10数年で劣化が顕在化した。このため,脱塩を適用した径間の内,1径間は橋体完成20年後に断面修復と表面被覆工法により補修が行われ,その他の径間では橋体完成18年後と28年後に断面修復と表面被覆工法による補修が2回実施されていた。

2.外観変状
本橋はコンクリートの浮き・はく離・はく落・錆汁,断面修復部の再劣化,表面被覆の浮き・はく離等の塩害劣化特有の損傷が多数認められた。また,コンクリートの塩分含有量は,脱塩工法を適用した径間の海側主桁で最大15.6kg/m3もの値を示した。既に補修を繰り返していたことから,抜本的な対策工法の実施が求められた。

3.原因推定
劣化の状況および塩化物イオン濃度の調査結果より,塩害による劣化と推定された。

■(3)対策工

劣化した主桁コンクリート・断面修復部は,ハンドブレーカーによりはつり除去した。はつり範囲は主桁表面積の約17%の面積に相当するため,事前にはつり時の応力照査を行い構造安全性の確認をした。脱塩工法の適用にあたっては,施工前にコアを採取し,カナダ法および模擬脱塩を行って脱塩に伴うアルカリ骨材反応の発生がないことを確認した。はつり部は,ポリマーセメントモルタルで断面修復を行った。脱塩にあたっては一週間の内,5日通電2日通電休止を繰り返す間欠通電法を採用し,通電によるPC鋼材の水素脆化を防止した。

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