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TECHNICAL INFORMATION

技術情報

補修技術

ASR抑制工法

■(1)橋梁概要

1.構造形式:RC単純中空床版橋
2.橋 長:12.0m
3.支間長:11.4m
4.幅 員:12.5m
5.竣工年次:昭和50年(1975年)
6.適用示方書:不明
7.対策年次:平成17年(2005年)

■(2)損傷概要

1.環境条件
平野部に架橋されている橋梁であり,供用後約30年が経過していた。

2.外観変状
本橋の橋台のコンクリート表面には亀甲状のひび割れが多数見られ,ひび割れから白色ゲルの析出も認められた。ひび割れの開口部には段差が生じている箇所もあった。

3.原因推定
橋台の外観変状の状況は,アルカリシリカ反応(ASR)による劣化の特徴を示していた。また,本橋台から採取したコア試料による残存膨張量試験(カナダ法)の結果,14日間で0.13%の膨張を示したため,本橋台の劣化原因はASRであると推定した。

■(3)対策工

橋台躯体コンクリートにφ20mmの削孔を500mm間隔で行い,そこから亜硝酸リチウム水溶液を加圧注入するASR抑制工法を施工した。加圧装置には油圧式圧入装置を使用し,注入圧力は0.7MPa~1.0MPa,注入時間は50時間~60時間とした。コンクリート内部に加圧注入されたリチウムイオンは反応性骨材周囲のアルカリシリカゲルを非膨張化させる効果があるため,以後のASRによる膨張は抑制される.施工前の残存膨張量が有害レベルであったのに対し,施工後に測定した残存膨張量は無害レベルに低下していることを検証した。

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